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「幸せに働く」とはどういうことか?
9:00am・・・今日の波/静かな海・晴れ
お盆から波のない日が続いています。

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悠人が大人になるころには、今はない職業がたくさん増えていることだろう。
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仕事が忙しくなると、本を読みたいと強く思う時がある。
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ロンドン・ビジネススクールの教授、リンダ・グラットンは著書『ワーク・シフト』
で、働き方の未来について、いろいろな提案や予測を書いている。
リンダは、英タイムズ紙が選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」のひとり。

その中で、仕事の世界の「古い約束事」についてこう表現している。

『私が働くのは、給料を受け取るため。その給料を使って、私はモノを消費する。
そうすることで、私は幸せを感じる』

古い約束事の中核をなすのは、所得を増やし、消費を増やすことを追及する発想だ。

この古い約束事は、もはや機能しなくなっているとリンダは言う。

僕が高校生の頃、リビングとは言えないような狭いテレビを見る部屋に、ビデオデッキレコーダーが
来たときのことは今でも覚えている。
それから、ウォークマンを初めて買った時のことなど。
1980年代は、モノを持つことで幸せになるような気がした。

社会人になるときは、どれだけ給料をもらって、何を買うかと考えた。
そう、まさに古い約束事の思考にはまっていた。

当時の僕は、働くということの意味に、「幸せに働く」と言う考えはなかった。

では、幸せに働くとはどういうことだろうか?

リンダは、その一つの例として、ジョンとスーザンのストーリーを紹介している。

「2025年、一月のその日、ジョンは日没ともに仕事を終える。
一日の締めくくりは、村の長老の家を訪ねてあいさつすること。
バングラデシュの南東部の小さな村でボランティア活動しているジョンにとっては、
欠かせない日課なのだ」
「ジョンとスーザンは一年間の予定でこの村に滞在し、近隣の村のために
水利権に関する交渉をおこなう人道援助団体の活動に参加しているのだ。
ジョンはアメリカの大手小売業でフルタイムの職に就いているが、
5年に一度、6か月間仕事を離れて、バングラデシュの最貧層の支援活動に
携わってきた」
(ジョンの会社は、社員が仕事のスケジュールを自分で決めれる制度を導入している)

「ジョンはスーザンと結婚するとき、じっくりと話し合ったことの一つは、
どういう職業生活を送りたいかという点だった。
話し合いの結果、ジョンは給料の高くない会社に勤め続け、当時研修医だったスーザンは、
週3日勤務の仕事に就いた。
こう言う選択をした結果、二人が払うことになった代償もある。
マイホームは手に入らないし、マイカーも買えない。
それでも、家は借りればいいし、歩いて通勤できる場所に住めばいいと考えた。」

ジョンとスーザンは、自分たちの働き方を自分で選択した。
二人の未来ストーリーから見て取れるのは、ジョンとスーザンが
自分たちのやっていることを愛していることだ。

マイホームとマイカーはあきらめたが、子供たちと一緒に過ごす時間と、
大好きなバングラデシュの村を支援する時間を確保することはできた。

日本にいる僕たちも同じように、何をあきらめるかで、自分の生き方を楽しむことができる。

あれもほしい、これもほしいと、みんなと同じように「普通」に消費することを選択していれば、
みんなと同じような生き方になるだろう。
ジョンとスーザンのように、自分らしく生きるには、「普通」でありたいと思うのではなく、
自分の働き方を自分で選択することにより、何を代償にするか受け入れる覚悟があれば、
「幸せに働く」道に歩いていける。
人と違う自分の生き方を確立していくには、「覚悟」が必要だ。
そのためには、自分という人間について深く知ること。
人生で何を大切にして生きていきたいのか、真剣に考える自分と向き合う時間が必要だ。

これからの働き方の未来について考えて行動することを、後回しにしてはいけないとリンダは言う。
精神的な幸福と経済的な豊かさをえられる働き方を見つけることは簡単ではないが、
自分自身の価値観と真剣に向き合い、主体的に選択する。

リンダが書いたこの本は、未来の世界で幸福な働き方をするためにと言うテーマだが、
読んでみて思ったのは、今すぐにでも『自分の働き方を自分と真剣に対話する』時間が必要だということ。
未来はすぐそこに来ているし、今という時間はどんどん過ぎていく。
今も、未来も「幸せに働く」ことができる自分の選択は何か。
何ができるのか。
何を代償にするのか。

家族や親密な友人と、自分たちの未来について語り合う時間をつくる。
それだけでも、未来に向けての大きな進歩をなりそうな気がします。

by cafe_delmar | 2013-08-20 09:48 | デルマー前:波情報