2013年 08月 20日
「幸せに働く」とはどういうことか?
9:00am・・・今日の波/静かな海・晴れ
お盆から波のない日が続いています。 カフェ、今日も元気に営業しています。 (明日21日(水曜)は、休みます) 悠人が大人になるころには、今はない職業がたくさん増えていることだろう。 ![]() 仕事が忙しくなると、本を読みたいと強く思う時がある。 ![]() ロンドン・ビジネススクールの教授、リンダ・グラットンは著書『ワーク・シフト』 で、働き方の未来について、いろいろな提案や予測を書いている。 リンダは、英タイムズ紙が選ぶ「世界のトップビジネス思想家15人」のひとり。 その中で、仕事の世界の「古い約束事」についてこう表現している。 『私が働くのは、給料を受け取るため。その給料を使って、私はモノを消費する。 そうすることで、私は幸せを感じる』 古い約束事の中核をなすのは、所得を増やし、消費を増やすことを追及する発想だ。 この古い約束事は、もはや機能しなくなっているとリンダは言う。 僕が高校生の頃、リビングとは言えないような狭いテレビを見る部屋に、ビデオデッキレコーダーが 来たときのことは今でも覚えている。 それから、ウォークマンを初めて買った時のことなど。 1980年代は、モノを持つことで幸せになるような気がした。 社会人になるときは、どれだけ給料をもらって、何を買うかと考えた。 そう、まさに古い約束事の思考にはまっていた。 当時の僕は、働くということの意味に、「幸せに働く」と言う考えはなかった。 では、幸せに働くとはどういうことだろうか? リンダは、その一つの例として、ジョンとスーザンのストーリーを紹介している。 「2025年、一月のその日、ジョンは日没ともに仕事を終える。 一日の締めくくりは、村の長老の家を訪ねてあいさつすること。 バングラデシュの南東部の小さな村でボランティア活動しているジョンにとっては、 欠かせない日課なのだ」 「ジョンとスーザンは一年間の予定でこの村に滞在し、近隣の村のために 水利権に関する交渉をおこなう人道援助団体の活動に参加しているのだ。 ジョンはアメリカの大手小売業でフルタイムの職に就いているが、 5年に一度、6か月間仕事を離れて、バングラデシュの最貧層の支援活動に 携わってきた」 (ジョンの会社は、社員が仕事のスケジュールを自分で決めれる制度を導入している) 「ジョンはスーザンと結婚するとき、じっくりと話し合ったことの一つは、 どういう職業生活を送りたいかという点だった。 話し合いの結果、ジョンは給料の高くない会社に勤め続け、当時研修医だったスーザンは、 週3日勤務の仕事に就いた。 こう言う選択をした結果、二人が払うことになった代償もある。 マイホームは手に入らないし、マイカーも買えない。 それでも、家は借りればいいし、歩いて通勤できる場所に住めばいいと考えた。」 ジョンとスーザンは、自分たちの働き方を自分で選択した。 二人の未来ストーリーから見て取れるのは、ジョンとスーザンが 自分たちのやっていることを愛していることだ。 マイホームとマイカーはあきらめたが、子供たちと一緒に過ごす時間と、 大好きなバングラデシュの村を支援する時間を確保することはできた。 日本にいる僕たちも同じように、何をあきらめるかで、自分の生き方を楽しむことができる。 あれもほしい、これもほしいと、みんなと同じように「普通」に消費することを選択していれば、 みんなと同じような生き方になるだろう。 ジョンとスーザンのように、自分らしく生きるには、「普通」でありたいと思うのではなく、 自分の働き方を自分で選択することにより、何を代償にするか受け入れる覚悟があれば、 「幸せに働く」道に歩いていける。 人と違う自分の生き方を確立していくには、「覚悟」が必要だ。 そのためには、自分という人間について深く知ること。 人生で何を大切にして生きていきたいのか、真剣に考える自分と向き合う時間が必要だ。 これからの働き方の未来について考えて行動することを、後回しにしてはいけないとリンダは言う。 精神的な幸福と経済的な豊かさをえられる働き方を見つけることは簡単ではないが、 自分自身の価値観と真剣に向き合い、主体的に選択する。 リンダが書いたこの本は、未来の世界で幸福な働き方をするためにと言うテーマだが、 読んでみて思ったのは、今すぐにでも『自分の働き方を自分と真剣に対話する』時間が必要だということ。 未来はすぐそこに来ているし、今という時間はどんどん過ぎていく。 今も、未来も「幸せに働く」ことができる自分の選択は何か。 何ができるのか。 何を代償にするのか。 家族や親密な友人と、自分たちの未来について語り合う時間をつくる。 それだけでも、未来に向けての大きな進歩をなりそうな気がします。
by cafe_delmar
| 2013-08-20 09:48
| デルマー前:波情報
|
◇◆リンク◆◇
カテゴリ
以前の記事
2023年 12月 2023年 11月 2023年 10月 2023年 09月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 05月 2023年 04月 2023年 03月 2023年 02月 2023年 01月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 08月 2022年 07月 2022年 06月 2022年 05月 2022年 04月 2022年 03月 2022年 02月 2022年 01月 2021年 12月 2021年 11月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 07月 2021年 06月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 11月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 06月 2020年 05月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 06月 2019年 05月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 2005年 10月 最新のコメント
最新のトラックバック
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|