8:30am・・今日の波/アタマオーバー・曇り
波が少し下がってきました。
カフェ、今日も元気に営業しています。
(年末年始は営業します。)
今週は、25(水)・26(木)・27(金)日の3日間、休みます。
重松清の短編小説の本「送り火」の中の『よーそろ』と言う短編に、
世界を旅しているという架空の旅人をブログに書いている駅員がいる。
その旅人がアフリカを旅しているという話の中で、こんなことを書いていた。
『なあ、狭~いニッポンの諸君、あんたら、自分が出会うた相手はみんな、
「いい奴」やないとあかん、思うとるん違う?
言うたら、友達をどんどん増やさなあかん、いう思想やな。
思想て大げさやけど。
甘いなあ、それ。
そんなん考えとったら、キツいやろ。
「嫌な奴」に出くわしたら、どないすんねん。
自分の不幸を嘆くんか?
「嫌な奴」を憎むんか?
どっちにしてもキツイわな。
世の中には「いい奴」もおるし、「嫌な奴」もおる。
それが現実や。
自分は「いい奴」としか出会いとうない?
アホか、ずうずうしいにもほどがあるわ。
逆に言うたら、「嫌な奴」に出くわしても、そんなに落ち込むなや。
なあ。
丁半博打と同じや。たまたま裏目の奴と会うただけのことやないけ。』
文春文庫より
この文章を読んで、自分が甘ちゃんだったことを気づかされた。
サラリーマンを42歳まで続けてきたとき、いろんな嫌な奴と出会ってきた。
それがイヤで仕方なかったことがある。
いい人とも出会ったが、嫌な奴もいっぱいいた。
自分だって、合わない人にはイヤな奴のひとりだろう。
そんなあたり前のことがわからなかった。
重松清の小説を読んで、そうだよなあ。
いい奴ばかりと出会うなんて、そんな自分に合うやつばかり出会うはずない。
合う人、合わない人がいて当たり前なんだ。
だから、合わない人からは逃げたらいい。
SNSで友達なんて無理に増やさなくていい。
いい奴と一人でも出会えれば、それだけで最高じゃないか。
宝くじに当たることと同じくらい、いい奴なんてそんなにいないんだから。
重松清は、小説でそんなふうに僕に気づかせてくれた。
ビジネス本は商売の勉強になるが、すぐれた小説は自分の生き方を
見直す機会を与えてくれる。
年末は、小説をたくさん読みたくなってきました。