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執着しない生き方を選んだアスリート
7:30am・・今日の波/肩・晴れ
うねりが整いました。

カフェ、元気に今日も営業しています。

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陸上トラック種目の世界大会で、男子400メートルハードルで
日本人として初のメダルを獲得したアスリート、為末大さん。

中学生から全国大会で活躍し、高校でもインターハイで活躍。
そのころの為末さんは、200メートルや400メートルよりも、
100メートルの種目で一番を目指していた。
しかし、中学では勝っていたライバルや後輩たちに、高校に入り
100メートルでは試合に負け、勝てるという自信が持てなくなっていた。

そして、18歳で陸上の花形レース、100メートルをあきらめ、400メートルハードルを選んだ。

「勝つことを諦めたくないから、勝てる見込みのない100メートルを諦めて、
400メートルハードルと言う勝てるフィールドに変えた」

この話を読んで、思いだしたスーパースターがいる。
マイケル・ジョーダン。
アメリカのバスケの神様と呼ばれる男。
彼は10代の頃、バスケットより野球が好きだった。
けれど、野球には自分の身体能力は向いていないと知り、バスケットボールを選んだ。
NBAでスーパースターになった彼は、一度現役を引退した。
そして、子供頃大好きだった野球選手になる夢に再挑戦した。
メジャーリーグの下部組織で(日本の2軍のようなチーム)で一年間試合に出たが、
良い成績は残せず、野球界への挑戦は失敗した。
その後、NBAに復帰したマイケルは、また大活躍をしMVPに選ばれた。

人は自分の好きなことと向いていることが同じではない。
合わなかったり、勝てなかったらあきらめたらいいんだ。
為末大さんとマイケル・ジョーダンのエピソードは、僕にそう教えてくれた。
ただ、人は多くの理由で簡単にはあきらめることができない場合がある。

メディアのほとんどは、成功者の声だけしか取り上げない。
「諦めずにやり続けました。だからここに立てたのです」

実際は、勝者の背後には数えきれないほどの敗者がいる。
多くの人は、がんばったのに成功しない敗者側に回らざるをえない。

為末さんは著書『諦め力』にこう書いている。
「夢はかなう」
「可能性は無限だ」
こういう考え方を完全に否定するつもりはないけれど、
だめなものはだめ、というのも一つの優しさである。
自分は、どこまで行っても自分にしかなれないのである。
それに気づくと、やがて自分に合うものが見えてくる。

何かを真剣に諦めることによって、「他人の評価」や「自分の願望」で
曇った世界が晴れて、「なるほどこれが自分なのか」と見えなかったものが見えてくる。

前向きに、諦める。
そんな心の持ちようもある。

『諦める力』発行:プレジデント社
久しぶりにすごく早く読んだ本です。
とにかく、為末さんの言葉が心の中に腑に落ちてくる。
秋の読書に、お勧めの1冊でした。
by cafe_delmar | 2014-10-16 07:57 | デルマー前:波情報