8:30am・・今日の波/アタマ・曇り
西風の影響で、荒れた海になってきました。
カフェ、今日も元気に営業しています。
(明日月曜日は、営業します)
五木寛之という作家を知ったのは、もう25年以上前になる。
久しぶりに五木さんの本『孤独の力』を読みました。
戦前、教師だった父親の職場が朝鮮半島だった。
そこで、小学校から中学校と父親の転勤で何度も転校をくりかえし、
敗戦後は九州へ戻り、引揚者ということで、まわりになじむことが
なかなかできなかったという。
『引き揚げてきたときは、植民地標準語というか、植民地的な共通語を使って、
地元の九州弁の人たちから物笑いの種にされ、なんとかそれになじんで、
上京してきたら、九州弁を笑われる。祖国の日本に暮らしながら異国に暮らす
感じであった。
エトランジェ(異邦人)だという意識が強く、群れの中にいても孤独というものを
つねに意識していた。』
「孤独の力」本文より
『孤独であることを自分の生き方として選んでいこう』と思って生きてこられた五木さん。
そんな五木さんが『孤独』について書いた本でした。
小さなころから群れないで生きてきた五木さんの言葉だから、
孤独について独特の考え方があり、自分の生い立ちからくる
他者とのかかわり方の関係を知ることができました。
五木さんは孤独について、こんなことを書いていました。
『孤独の中に、何か見出すべきものがあるのではないか。
人間は、他人と共生しながら、じつは、心の中で孤独をひそかに求めている、
そういう気持ちもあるのではないか』
孤独と深くかかわってきた五木さんの言葉。
深く心に響いてきました。