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ビーチで見た笑えないある光景
今日の波・15時・コシハラ・晴れ・
強い西風
カフェ、今日も元気に営業しています。
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店内には、マスク着用で入店をお願いします。

昨年の5月のある平日。

海に入ろうと、近くのビーチへ車で行くと、

駐車場でローカルと呼ばれるサーファーが、

県外から来たサーファーに海に入らないように

言っている様子を偶然見かけました。


県外のサーファーさんは、そのまま車に乗り込み、

どこかへ出て行かれました。

その後、近くにいたローカルサーファーのグループの

ひとりが、「今日はローカルだけの貸し切りだなと

言って、笑っていました。」


海を見ると、誰も乗らない波が余っている。

混雑なんかしていない、密にならない海でした。

余っている波がたくさんあるのに。


もう1年近く前に見た光景ですが、

僕は「笑えなかった」。

あのビーチで見た光景が、僕の頭から離れない。


誰かを苦しめて、自分たちだけ好きなことを

するのは、全然楽しくない。



村上春樹エッセイ「村上ラチ"オ3」にこんな話が

書いてありました。


19821月、寒波のワシントンDCで、航空機が

ポトマック川に墜落した。

大半が落命したが、6人だけ凍るような川に投げ出され、

ヘリコプターに救助された。

ただ、ひとりだけ(ウィリアムズさん)は、川の中に

消えてしまった。


なぜか

衰弱の激しいウィリアムズさんのそばに、ヘリからロープが

下りてくるたびに、彼は近くにいる女性に順番を譲った。

そうして、一番最後になった彼を助けに戻ったヘリは、

ウィリアムズさんの姿を川に見つけることはできなかった。

川に浮かんでいた6人の乗客と乗務員のうち、彼だけが

帰らぬ人になった。


新潮文庫「村上ラジオ3」から参照


自分の命が危機の時に、助けてくれるロープを

先に譲るような「親切心」は誰もが持てるとは思わない。

ただ、ウィリアムズさんのような親切心を持った人が

ビーチにたくさんいれば。

本当に心から笑える笑顔を、海やビーチで僕は

見れるような気がします。

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by cafe_delmar | 2021-04-20 15:55 | デルマー前:波情報